うたあわせプロジェクト Vol.03 第13首 陽成院【後撰集】
こんにちは、【おもいびと】の しわす です。 「うたあわせプロジェクト」Vol.03 今回の投稿は 第13首 陽成院 【後撰集】
「筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる」 のイラスト完成までの動画です。 作者の陽成院は第57代天皇として9歳で即位しましたが、病のため17歳で譲位しました。 陽成院は天皇を譲位した後の名前です。 このうたは、のちに妻となる綏子内親王(すいしないしんのう)に宛てて詠まれたとされていて、 当時はまだ陽成院の片思いでした。 現代語訳すると、筑波山の峰から流れ落ちるみなの川が、やがて深いよどみとなるように私のあなたへの恋心も、積もり積もって今では深い想いのよどみになってしまいました。となります。 「筑波」は常陸国(現在の茨城県)の筑波山のことで、昔からよく歌に詠まれました。 だんだんと深くなる恋心を、山から流れ出て徐々に太く深くなる川の流れを重ね合わせ、募っていく恋心が表現されています。恋が叶うまでの切ないうたとして昔から親しまれてきました。 この歌のイラストを考える際、真っ先に流れと一緒に落ちていく